2014 エールハウスの舘崎のロンドン編

こんにちは。エールハウスの舘崎です!
ご存知の方もおられると思いますが、僕は昨年まで1年間ロンドンに留学に行っていました。
向こうでまぁ社会心理学なんかを学んできたわけなのですが、その学校での勉強に加えてロンドンのビールシーンも積極的に体験学習してきました。
すこし時間が経ってしまいましたが、現地リポートをすこし紹介します!

ロンドンパブ事情1

英国といえばパブ、パブといえばエール、エールといえば英国です。しかし、この国のビール文化にも大きな変化が起き、そしてそれはこれからも更に大きく豊かになりそうです。
その変化とは、もちろん、クラフトビールです。大量生産のケグビールに押され、カスクエール(日本では主にリアルエールと呼ばれる、通常ハンドポンプで汲み上げるように注がれる英国伝統スタイル)の人気は落ち、過去70年に渡って英国内の醸造所数は減少の一途をたどっていたそうです。それがここ数年で「マイクロブリュワリー」を中心に、新規オープン年間80件というペースで、現在英国には800以上のビール醸造所があるといいます。
現在では、“… if you think you don’t like beer, you just haven’t found the right one yet” - 「ビールが好きじゃないと思うならば、それはまだ自分にあったビールに出会っていないだけ」と言われるほどに英国内においても豊富なバラエティのビールが楽しまれるようになりました。その流れというのも、中小規模な革新的な新しいブリュワリー達、そのビールを提供するクラフトビールパブ、それらを熱心に楽しむビールファン達によって作られているものです。

さて、前置きはこれくらいにして、実際どんな店があってどんなのを飲んでるのというところを写真を交えて見ていきましょ~。

これが僕がロンドンで最初に飲んだビールです!!マググラスに注がれたポーター!銘柄は記録も記憶もしていませんが、いつ見返してもあの時のワクワク感が蘇ります。だって、ほら、

まだ明るいうちから皆さん楽しそうに飲んでるんです。両方2日目の写真ですが、こんな良いクラフトパブ(*1)が寮の近くにあるなんて、「ロンドン、仲良くなれそうだな。」独りでそんなことも思ってしまいます。

…、すでに長くなってしまったので、今回は一軒のみ。 次回怒涛のパブ紹介、続きます。。

ロンドンパブ事情2

前回に引き続きまして、ロンドンのクラフトパブについて紹介します。

前回紹介したDraft House Tower Bridgeよりも、というか僕の住まいのすぐ隣にあったDean Swiftというこのパブ。スタッフに方とも仲良くなって、たまにビールをお持ち帰りしたり…お世話になりました!

“Local Beer House”というテーマを掲げ、地域に愛される、食事も凝った居心地の良いクラフトビールパブです。

もちろん、Brew Dogも人気です。

ちなみに写真右手前の立派なヒゲのお兄さんのような人は「ヒップスター」と呼ばれる人たちで、クラフトビールブームのメインキャラクターです。自由で新しいもの好きの彼らにアメリカ発のIPAを中心としたクラフトビールが受けて、それまでの「ぬるいエールをおじさん達が飲んでいる」というパブのイメージを一新したと言えるでしょう。

何やらまた怪しいことやってます…。

こちらは前出Dean Swiftの姉妹店Old Red Cowも人気。

室内は全面禁煙なので、軒先には喫煙しながら飲むという人がたくさんいます。
どうやらパブの基本構造として、一階がバーで二階がダイニングとなっている場合が多いようです。そして地下には「魔法が起こる場所」セラーがあったり…。

こちらはHolborn Whippetというヴィンテージ感溢れるパブ。

イギリスのクラフトパブの最大の特徴は、やはりカスクエールをちゃんと揃えているということだと思います。アメリカ流の爽快なケグビールだけではなく、英国伝統のカスクエールもしっかりと作り続けるというところが、僕は好きです 笑
ちなみにこちらのカスクエールはハンドポンプではなく「グラヴィティ」という出し方です。gravity = 重力の名の通り、蛇口をひねるとビールが流れ出てくるという大人が見る子供みたいな夢第2位は実在します!(第1位はスージーさんに聞いてください)

最後に、

このハンドポンプの数!CRAFT BEER CO.はロンドン市内に数軒を構える人気パブ。品揃えは「パブのぬし」風のおじいさんも認めるところでしょう。

たてざきチョイスのロンドンパブ紹介はひとまず以上で、
次回はロンドンで急増するマイクロブルワリーを紹介します

ロンドンパブ事情3

さて、「ロンドンパブ事情」というタイトルで始めましたが、最終回となる今回はパブではなく、ブルワリーです。ホームブルー(自家醸造)も合法で、誰でもビールを作れちゃう環境にあって、「自分たちの飲みたいと思えるビールを作ろうぜ」という人たちが、小規模なブルワリーを立ち上げるというのはとても自然なことのようにも思えます。新設されるところもあれば、閉じてしまうところもあるという厳しさもありましょうが、今回その中でもかなり人気の高いところを紹介します。

僕の寮から歩いて10-15分くらいのところ、鉄道の高架下に構える3つの人気マイクロブリュワリーがありました。

まずこちらが「The Kernel」

土曜日のみ工場をオープンして、直売および樽生の即席バーを行います。お昼頃なのにこの賑わい!
軽く工場の中も見せてくれました。レンガ造りのアーチ状の高架下の醸造所。バレルも沢山置いてあって、これからどんなビールが出来るのかワクワクしました。

お次は「Brew By Numbers」

隣には自動車修理工場とかが入っていたりして、一見人通りの少ない場所なのに、青空の下、多くの人が足を運びます。

そして、僕の特にお気に入りの「PARTIZAN BREWING」

何でお気に入りかって、このボトルのジャケアートですね。

Alec Dohertyさんというアーティストによるジャケはそれぞれビールのスタイルに合わせて凝ったデザインです。

とまぁ、土曜日に何回か通って親交を深めたところで、帰国前にこのPARTIZANで少し仕事のお手伝いをさせてもらいました。詳しくは割愛しますが、下はヘッドブリュワーのAndyさんとの一枚。

Andyさんは「俺らはお金をたくさん儲けようと思ってやってるんじゃなくて、自分たちが飲みたいと思えるビールを造るっていうのを基本としてやってる。でもそれを一緒に楽しんでくれる人が増えるのは嬉しいね」と言ってました。

彼らのビールは、前回前々回紹介したようなクラフトビールパブでも飲むことができます。

ブルワリーからところ変わって、こちらのUTOBEERというビール専門小売り店も紹介させてください。

世界中の良いビールで溢れる小さなお店には、日本勢も!

まだまだ書き切れないブリュワリー、パブ、イベントなどがありました。ロンドンはやっぱりすごかった。何がって、その新しくて良さそうなものに対する興味と楽しみ方ですね。
残念ながら日本に入ってくる英国クラフトはごくわずかですが(Camden Town Brewery、MEANTIMEなど)、もしも見つけたら是非試してみて下さい!

最後にとあるパブで見つけた引用を。

長くなってしまいましたが、読んでくれた方、どうもありがとうございました!